物語を狩る種族(The Story Hunters)

読んだ本の感想を書いているブログです

ホラー・ファンタジー

2015年に読んだ本

年も明けたので去年のおさらいを。面白かったものもそれほどでもなかったものも。去年はSF小説ばっかり読んでました。 今年は瀬名秀明『デカルトの密室』とか、サミュエル・R・ディレイニー『バベル-17』とか、ロジャー・ゼラズニイ『伝道の書に捧げる薔薇』…

福澤徹三『忌談 終』

福澤徹三さんの『忌談 終』を読みました。飛行機に乗る機会がありまして、そんなときは角川ホラー文庫の新刊を一冊買うことにしているのです。これは著者の集めた怖い話が35編収められている本。ここ最近読んだ怪談蒐集系の本では一番面白かったかも。以下、…

Lavie Tidhar「What Do We Talk About When We Talk About Z――」

忙しさにかまけてブログの存在を忘れていましたが、忘れていても問題ないといえば問題はありませんね。それに忙しくても本を読むくらいの余裕はありました。もしかしたら本を読むのに時間を取りすぎているのかもしれませんけれど。 “It is raining. It seems…

Gene Wolfe「The Woman Who Went Out」

研究のために出かけたところで『F&SF 1985 June』*1を見つけ、せっかくなのでジーン・ウルフの短篇「The Woman Who Went Out」を読みました。まあ英語力に難ありなので、電子辞書片手に読みました。全部で5ページぐらいの分量で、それほど難しい単語も無かっ…

Neil Gaiman 「Click-clack the Rattlebag」

ニール・ゲイマンの「Click-clack the Rattlebag」を読みました。ニール・ゲイマンはアメリカン・コミック『サンドマン』の原作者で、ファンタジー小説家です。著作としては『スターダスト』とか『コララインとボタンの魔女』とか。と、いうような情報は知っ…

キジ・ジョンスン「26モンキーズ、そして時の裂け目」

今日読んだのは創元海外SF叢書の三冊目、キジ・ジョンスン『霧に橋を架ける』から「26モンキーズ、そして時の裂け目」*1(三角和代訳)です。この著者の作品を読むのは初めてですが、前評判をネットで見かけて面白そうだと思い手に取りました。この短編は世…

高橋克彦「緋い記憶」

今日はミステリー文学資料館編『ホラーミステリー傑作選 ふるえて眠れない』の高橋克彦著「緋い記憶」を再読しました。この短編集はそのタイトルどおりホラーの傑作ばかりで、いやもう本当に面白いアンソロジーとなっています。筒井康隆、半村良、宮部みゆき…

井上雅彦「抜粋された学級文集への注解」

今日は井上雅彦*1監修の書き下ろしホラーアンソロジー「異形コレクション」の45冊目、『憑依』の井上雅彦著「抜粋された学級文集への注解」を読みました(と言っても再読ですが)。 現在までに50冊近くが刊行されている異形コレクションで、私自身はそのうち…

ルーシャス・シェパード「竜のグリオールに絵を描いた男」

今日は新潮文庫の短編集、ルーシャス・シェパード著『ジャガー・ハンター』の「竜のグリオールに絵を書いた男」(内田昌之訳)を読みました。なぜこの本を読んだのかというと、元々ルーシャス・シェパードという名前だけを知っていて*1、なんとなく読んでみ…